甘いも辛いもお好みで

パンケーキと言えば「ふわふわで甘いスイーツ」というイメージを持つ人は多いことでしょう。たしかにパンケーキの生地はふんわりとした優しい甘さが特徴ですが、その、ほのかな甘さがあるからこそ、他の濃厚な甘さや風味がはっきりとしたトッピングとも、反対に塩気や辛さ、食べごたえのあるトッピングとも相性がいいのです。

パンケーキ専門店で提供されているメニューは大きくふたつ、「スイーツ系」と「ミール系」に分けることができます。スイーツ系は、パンケーキという言葉で誰もが想像するような、バターとハチミツ、メープルシロップなどをかけて食べる甘いものです。近年このスイーツ系のパンケーキは徐々に豪華になり、バターやシロップだけでなく、フルーツや生クリーム、アイスクリームなど各種様々なトッピングがのせられたものが登場して話題になりました。もちろんその分ボリュームもたっぷりで、甘いもの好きの人たちの欲望と胃袋を満足させる一品として一大ブームになっています。

一方の「ミール系」は、その名の通り食事として楽しむことができるメニューのことです。サーモンやツナといった魚、ソーセージやベーコンなどの肉類、たっぷりのスクランブルエッグや焼き立てのオムレツなどのメインになる料理を添え、しっかり食事の満足感が得られるようなパンケーキメニューなのです。メインの料理だけでなく、フレッシュなグリーンサラダやビネガーをきかせたマリネなど、野菜のメニューも添えれば、栄養バランスが気になる人にもぴったりな一皿になるでしょう。ハチミツやシロップをかけるスイーツ系とは違い、ホワイトソースやチーズソースなどをかけて食べるので、甘いものが苦手な人でも楽しめるのです。

パンケーキの人気が高いのは、このようにスイーツ系やミール系などメニューが豊富なことにより、好きなものを好きなように食べることができるという点が挙げられます。甘いものを食べていると塩気のあるものが食べたくなりますし、塩気のあるものを食べていると甘いものが欲しくなったりします。スイーツ系とミール系の両方を一度に楽しめる、自分好みに組み合わせられる、パンケーキ人気が衰えない理由の一因はこの自由度の高さにあるのです。好きなものを好きなように食べられるのがパンケーキの魅力でもあると言えるでしょう。パンケーキはスイーツであり、ミールでもあり、食べる人が自由に楽しめる、懐の深いメニューなのです。